⑭オゾンについて
今回はオゾンについて書いていきます。
オゾンとは、ギリシャ語のOzein(臭う)が由来となっています。
オゾンは自然界にも存在していて、オゾン層は10~20ppmと高濃度です。
通常の大気中には0.005約ppmのオゾンが存在していて、大気の自浄する働き(殺菌・脱臭など)をしています。
高濃度のオゾン層は地球を囲み、地上への強い紫外線の到達を妨げています。紫外線の中には殺菌線と呼ばれる強い殺菌力を持った波長の光が存在するため、オゾン層がなくなり紫外線が弱まることなく降り注ぐと地球上には動植物・細菌ともに生存できないと言われています。
自然界にも存在するオゾンですが、オゾン水やオゾンガスを作ることもできます。オゾンを発生させて、脱臭・殺菌することができます。
ここから、オゾンの細菌・ウイルスに対する働きについて書いていきます。
まず、オゾンには優れた殺菌力と、ウイルス不活性化力があります。
オゾンの殺菌メカニズムについて簡単に説明します。オゾンの化学式はO3です。
O(酸素)が3つあります。酸素が3つという状態は非常に不安定なのでOを1つ手放し、安定したO2になろうとします。
このとき手放されたOもまた安定したO2になるために、何かと結合しようとします。これが酸化です。
オゾンの強力な酸化力により菌やウイルスは細胞構造を維持できなくなり、菌体破壊(溶菌)という現象が起こります。
このようにオゾンは殺菌・ウイルス不活性化をしています。
オゾンには塩素の7倍の殺菌力があると言われています。
オゾンはHBV・アデノウイルス・インフルエンザウイルス・ノロウイルス・コロナウイルスなどに対しての不活性化が確認されています。(いまのところ新型コロナウイルスへの効果実証は困難ですが効果が期待されています。)
抗生物質では耐性菌が心配されますが、オゾンの耐性菌は認められていません。
当院では口腔内の殺菌・感染対策のため4ppmのオゾン水でうがいをしてもらっています。(オゾン水は独特なにおいがあるので苦手な方は教えてくださいね。)
画像はビィソニックホームページより引用。
参考:財界人2010 9月
月刊医科器械2011 9月
宮城県仙台市青葉区大町 東邦歯科診療所