⑩歯ぎしりについて


今回は歯ぎしりについて書いていきます。


歯ぎしりというと、夜中のギシギシ・ギリギリとうるさい歯ぎしりを思い浮かべる方も多いかと思います。


歯ぎしりには3種類あって、夜中のギシギシ・ギリギリもその中の一つです。


歯ぎしりには

①クレンチング(噛みしめ・食いしばり)

②グライディング(ギシギシ・ギリギリ)

③タッピング(カチカチ)

があります。


夜中のギリギリと音のなる歯ぎしりはグライディングというものです。


それぞれの特徴について書いていきます。


①クレンチング(噛みしめ・食いしばり)


クレンチングは、日中や寝ている間にも行われます。


食いしばるタイプの歯ぎしりなので、睡眠時に周りに気づかれることはありません。

日中は、仕事中・読書中・掃除中やスポーツをしているときなど集中しているときや力が必要な時(踏ん張るとき)に噛みしめが起きていることが多いです。


起きているときの上下の歯の接触はTCH(tooth contacting habit)歯列接触癖ともいわれています。

安静時空隙というものがあり、上下の歯は普段1~3mmほど離れています。食事中や会話中以外に常に上下の歯が接触しているということはないのです。


TCHは一次性TCHと二次性TCHに分けられます。


一次性TCH

→安静時空隙がなく、上下の歯を離すと違和感や不快感がありその状態を保てないことです。


二次性TCH

→上下の歯を離しても違和感や不快感はないが、姿勢やなにかに集中した時などに二次的にTCHが引き起こされることです。


TCHはスマホやパソコン操作、読書中など下を向くような姿勢のときにも起こりやすくなります。


TCHの改善には、自分で意識をして上下の歯を接触させていることに気づいたら離すようにするという行動変容が大切になります。


義歯(入れ歯)を入れている方でクレンチングやTCHがあるときは傷が見当たらなくても痛みを訴える場合もあります。噛みしめや食いしばりがないか確かめましょう。



②グライディング

グライディングは眠っているときのギリギリという歯ぎしりです。

歯ぎしりをすると歯(歯根や歯槽骨)には自分の体重以上の力がかかると言われています。



③タッピング

タッピングは寝ているときにカチカチと歯を鳴らすような歯ぎしりです。



歯ぎしりは無意識に行ってしまうものですが、歯や骨、歯根、咀嚼(噛むこと)に使われる筋肉にも大きな負担となります。


歯ぎしり(ブラキシズム)があるとこんなことが起こります。

・歯や歯根の破折

・かぶせ物が割れる、欠ける

・頭痛、肩こり

・歯がすり減る(咬耗)

・虫歯などがなくても歯が痛む、しみる

・*骨隆起(口の中の骨が盛り上がる)

・歯の根元の部分が欠ける

・歯周病の悪化


*骨隆起とは口のなかの骨(歯茎や口の中の天井の部分など)が盛り上がることです。歯ぎしりの圧に対しての防御反応と言われていて、自然になくなることも小さくなることはありません。

入れ歯を作るときや、入れ歯が当たってしまう場合は手術で取り除くこともありますが、支障がなければそのままでも大丈夫です。


歯ぎしりがあると、舌(横、奥歯側)にギザギザと痕がつく・頬の内側に白い線(圧痕)や赤、黒っぽい内出血がみられます。自分は歯ぎしりをしているのかチェックすることができます。



なぜ歯ぎしりが起きるのか、明らかな原因はわかっていませんがストレスが大きな原因となると考えられています。


そのほかにも睡眠時無呼吸症候群・逆流性食道炎・飲酒・喫煙など様々な原因が考えられます。


歯ぎしりは浅い眠りの時(レム睡眠)に起こります。


タバコに含まれるニコチンには覚醒作用があるので、眠りが浅くなってしまうと考えられます。


逆流性食道炎では酸っぱい胃液などが口まで上がってきてしまう(呑酸)と、口の中が酸性になってしまうのでそれを中和しようと歯ぎしりをして唾液の分泌を促すと言われています。


飲酒をするとアルコールが分解されたときのアセトアルデヒドによって最初は深い眠り(ノンレム睡眠)につきますが、後半は浅い眠りになってしまいます。



次に、歯ぎしりと頭痛・肩こりについてです。


歯ぎしりがあると筋肉に負担がかかり、それによって痛みを生じます。


歯ぎしりには噛むための筋肉である咀嚼筋が使われます。

咀嚼筋は、咬筋・側頭筋・内外側翼突筋です。


夜中の歯ぎしりで痛みを自覚できるのは咬筋が多いです。側頭筋の痛みは頭痛となって現れます。

また、筋肉はつながっているので歯ぎしりによって咀嚼筋に負担がかかると肩や首のこりを感じるようになります。


歯ぎしりで頭痛の症状が出るのは女性が多いそうです。

慢性的な頭痛があり、原因のわからない場合は歯ぎしりが原因となっている可能性もあります。


また歯ぎしりによって歯に強い力が加わると、歯根やその周囲の骨組織に負担をかけてしまい特定の部位で骨吸収させることがあります。


骨吸収は歯周病の悪化につながります。



歯ぎしりによって起きる症状は、マウスピースの使用で軽減することができます。

ぜひ歯医者さんに相談してみてください。



宮城県仙台市青葉区大町 東邦歯科診療所



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