⑫細菌やウイルスの感染経路について
今回は、細菌・ウイルスの感染経路について書いていきます。
感染とは生物の体内や表面に病原体が侵入し、増殖するようになることです。
①細菌とウイルスの違い
細菌とウイルスの違いは、大きさ・増殖の仕方などがあります。
細菌はウイルスよりも大きく細胞を持ち、栄養があれば生存・増殖することができます。食品の中でも増殖することができます。これが食中毒を引き起こします。
ウイルスは細菌よりも小さく、他の生物の細胞に入り込んで増殖します。食品中では増殖できません。ウイルスには抗菌薬(抗生物質)は効きません。
②感染が成立するとき
感染が成立するのは、感染源・感染経路・感受性のある宿主がそろったときです。
③感染経路
⑴空気感染(はしか、水痘、結核など)
・空気中に浮遊する飛沫核によって感染すること。ウイルスや細菌を吸い込み、感染します。
☆飛沫核とは飛沫から水分が蒸発したもので、飛沫とはしぶき(ここでは咳やくしゃみで飛び散るもの)です。
気管支や肺胞に付着します。
⑵飛沫感染(風邪、インフルエンザ、おたふく風邪など)
・ウイルスや細菌が咳やくしゃみによって唾液や気道分泌液に包まれて空気中に飛び出す。それを吸い込んだり、触れたりすると感染します。
飛沫は水分を含み飛沫核に比べて大きく重いので、空気中に長く浮遊せず飛距離も1メートル程度です。
鼻や咽頭粘膜、結膜などに付着します。
☆飛沫は吸い込まれても気道粘膜上皮の線毛運動によって排除されることが多いです。しかし、飛沫核はとても小さいので肺の奥に到達してしまいます。
⑶接触感染(インフルエンザ、ヘルペスなど)
接触感染には、経口感染・粘膜感染・性行為感染も含まれます。
皮膚や粘膜(傷口や目)の直接的な接触や、医療器具や手すりなど物体の表面を介した間接的な接触による病原体の付着によって感染します。
☆インフルエンザの感染経路は、飛沫感染・接触感染の両方です。
⑷母子感染
母子感染には胎盤感染・産道感染・母乳感染などがあり、垂直感染ともいわれています。
口移しなどで虫歯の菌が移ると言われていますが、これも垂直感染です。
イラストは看護roo!より引用
感染の種類を何種類か挙げましたが、感染しても症状の出ない場合もあります。これは不顕性感染と言います。
感染予防で最も大事なことは、手洗いうがいの励行と免疫力を高めることです。
手洗いうがいはだれでも、いつでも始められる予防法です。
参考:ウィキペディア
AMR臨床リファレンスセンターHP
感染経路別病原体
宮城県仙台市青葉区大町 東邦歯科診療所